2016年3月18日号 3132号

280円(税込)

定価 280円(税込)

▼特集▼
小松美彦・田中智彦対談―バイオテクノロジー社会の行く末にあるもの<「ヘールシャム化」する世界>
『わたしを離さないで』(小説/映画/ドラマ)を解読する
★一月よりTBS系列で、ドラマ<わたしを離さないで>が、綾瀬はるか・三浦春馬・水川あさみ・麻生祐未などの共演で全国放映されている(三月一八日が最終回)。原作は二〇〇五年に刊行され世界的ベストセラーになった、カズオ・イシグロの『NeverLetMeGo』。日本でも翌〇六年に早川書房から土屋政雄訳で翻訳出版され(〇八年に文庫化)、現在では累計五〇万部に達している。また、二〇一〇年にマーク・ロマネク監督により映画化され、日本でも翌年に公開。さらに二〇一四年には、蜷川幸雄演出で舞台上演もされた。「臓器移植」と「クローン人間」という重いテーマを扱いながら、多くの人々に長く読み継がれてきた、その魅力とは何か。生命倫理学に関わる著作を多数著わしてきた武蔵野大学教授・小松美彦氏と、これから医療の世界に進む学生に対して倫理学を講ずる東京医科歯科大学准教授・田中智彦氏に、小説・映画・ドラマを比較対照しながら対談をしてもらった。なお小説版のあらすじは8面「編集室より」を参照。

<コンテンツ>
1:重厚なドラマ
2:「生権力機関」(フーコー)
3:題名に込められた意味
4:死者が生者に語る物語
5:「救済者兄弟」の誕生
6:新しい倫理の立ち上げ

★こまつ・よしひこ氏は武蔵野大学教授。生命倫理学・科学史科学論専攻。東京大学大学院博士課程修了。著書に「脳死・臓器移植の本当の話」「生権力の歴史」「生を肯定する」など。一九五五年生。
     
★たなか・ともひこ氏は東京医科歯科大学准教授。倫理学・政治思想専攻。早稲田大学大学院博士課程満期退学。著書に「メタバイオエシックスの構築へ」「生命倫理の基本概念」(共著)など。一九六七年生。

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第89回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<強い木>2003年 シリーズ「ライカで散歩」
★遠くまで旅することなく、住んでいる家の近くを散歩して写真を撮ることでスタートした「ライカで散歩」の連載だが、その考えにもっとも相応しいのがこの写真である…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<233回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎夢…現…幻…妄想通りの仕上げ、画竜点睛な未完

◆連載=漢字点心<第174回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「嫋」※「ジョウ」

◆連載=現代短歌むしめがね<第30回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎アリス 穴に落ちて辿り着いたAmazonの倉庫で朝から働くアリス</石井僚一『十三月のマザー・テレサへ』(2015)

◆連載=あの人に会いたい「ジュエリーデザイナー・下川宏道」/江原礼子
★18金のチェーンに小さなパールが15粒並ぶネックレス。シンプルで飽きの来ないジュエリーを、1点1点丁寧に作り出す下川宏道さん。ご自身の名前、宏道(ひろみち)からとったというhimie(ヒーミー)の代表でもある。歯科技工士から、ジュエリーデザイナーへと転身を図ったという、異色の経歴の持ち主。表参道で週末だけ開けているショップに伺って、お話をお聞きした。
 
◆連載=読写!一枚の写真から/岩尾光代

◆文庫日和=
◎岡田 喜秋『旅に出る日』(ヤマケイ文庫)


■7面
◆レポート=小泉純一郎氏が語る日本文明の未来/日本文明研究所シンポジウム載録
<エネルギーの構造改革「原発ゼロ」へ>
★猪瀬直樹氏が所長を務める日本文明研究所の第三回シンポジウムが、二月八日、東京都渋谷区の日本経済大学で行われた。「日本の歩むべき道」と題する小泉純一郎元首相の特別講演である。小泉内閣では、郵政民営化、猪瀬氏が寄与した道路公団民営化等、大きな構造改革が成し遂げられてきた。本講演では、原発の構造改革に焦点をあて、今後の日本の在り方が語られている。その講演を載録させていただいた。
<主なコンテンツ>
1:全政党反対の中で実現した構造改革
2:絶対的な安全がないなら原発を持ってはいけない
3:危険、コストが高い、汚染エネルギー
4:自然をエネルギーに 自然とともに生きる

■8面
◆連載=ともかくスケッチ/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アートディレクター)
◎酒場のうわさ

◆連載=元気に、出版。出版、元気に。=「サイゾー」/塩澤実信(しおざわ・みのぶ氏=出版評論家)

◆受賞=第18回 大藪春彦賞 贈呈式開催

◆ブックサロン=
◎著:戸田 等『弁護士物語』(新潮社)


▼今週の書評▼
■4面
◆岩手大学人文社会科学部フランス文学研究室/中里まき子編著『無名な書き手のエクリチュール』(朝日出版社)
評:竹内修一(たけうち・しゅういち氏=北海道大学准教授・フランス文学専攻)


◆エルナン・コルテス著『コルテス報告書簡』(法政大学出版局)
評:伊高浩昭(いだか・ひろあき氏=ジャーナリスト)


◆現代公益学会編『東日本大震災後の協同組合と公益の課題』(文眞堂)
評:田中夏子(たなか・なつこ氏=日本協同組合学会副会長)


◆春日武彦著『鬱屈精神科医、占いにすがる』(大田出版)
評:可能涼介(かのう・りょうすけ氏=批評家・精神保健福祉士)


■5面
◆滝口悠生著『死んでいない者』(文藝春秋)
評:倉本さおり(くらもと・さおり氏=ライター・書評家)


◆内藤千珠子著『愛国的無関心』(新曜社)
評:山崎眞紀子(やまさき・まきこ氏=札幌大学教授・日本近現代文学専攻)


◆一條次郎著『レプリカたちの夜』(新潮社)
評:長瀬海(ながせ・かい氏=ライター・書評家)


◆山内鳥肪『若き日の日野啓三』(和泉書院)
評:山根繁樹(やまね・しげき氏=松江工業高等専門学校教授・日本近代文学専攻)


■6面
◆エスムラルダ、KIRA著『同性パートナーシップ証明、はじまりました。』(ポット出版)
評:砂川秀樹(すながわ・ひでき氏=文化人類学者)


◆井戸まさえ著『無戸籍の日本人』(集英社)
評:歌代幸子(うたしろ・ゆきこ氏=ノンフィクションライター)


◆シャーウィン裕子著『戦争を悼む人びと』(高文研)
評:関千枝子(せき・ちえこ氏=ノンフィクション作家)


◆ジェイムズ・A・ミッチェル著『革命のジョン・レノン』(共和国)
評:サエキけんぞう(さえき・けんぞう氏=ミュージシャン)

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