2016年7月1日号 3146号

280円(税込)

定価 280円(税込)

▼特集▼
山田詠美氏ロングインタビュー(聞き手=倉本さおり)<言葉の可能性を極限まで高める>
『珠玉の短編』(講談社)刊行を機に


★作家・山田詠美氏が、川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」を含む短編集『珠玉の短編』を上梓した。『放課後の音符』『色彩の息子』『風味絶佳』など、数多くの短編集を刊行してきた山田氏だが、短編集を編む時には、必ずテーマを自身の中で設定してから執筆をはじめるという。今回挑んだテーマは、「言葉」。言葉の可能性を極限まで高めることを、一貫して追求した。山田氏に、お話をうかがった。聞き手は、昨年、本紙文芸時評を担当したライターの倉本さおり氏にお願いした。

<主なコンテンツ>
1:予定調和を崩す
2:洗練されたうえに野蛮
3:「いい意味での裏切り」
4:「遊びもの」としての言葉
5:その人だけの一冊
6:顰蹙こそ文学

★やまだ・えいみ氏は作家。一九八五年に『ベッドタイムアイズ』で文藝賞を受賞し作家デビュー。八七年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木三十五賞、八九年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、九一年『トラッシュ』で女流文学賞、九六年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、二〇〇一年『A2Z』で読売文学賞、〇五年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、一二年『ジェントルマン』で野間文芸賞を受賞。
      
★くらもと・さおり氏はライター・書評家。「小説トリッパー」「週刊新潮」等で連載を執筆。

《今週の読物》
■1面=誰も見ていないから<第4回>/伊原信次(いはら・しんじ氏=画家)
卒業制作(油彩、キャンバス/194×112cm/2010年/広島市大学技術資料館収蔵)
「描く側の苦しみは作品に比例する。」

■3面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側<247>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎黒/79歳は死者に扮して 白/80歳は生まれ変って

◇連載=現代短歌むしめがね<44>コンピュータ編/山田航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎はらわたをのぞかれているようだ わがiPhoneがたらい回しされると/大庭れいじ『摩天楼の森』(2015)

◇連載=漢字点心<188>/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「厠」

◇連載=文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎熱狂を演出、躍動感あふれる文章(小谷展宏「オーストラリア・パース紀行」)
◎手堅いリアリズム小説の手法(吉開那津子「谷間の家」)

◇フォト&アート=
◎著:塙 紘『利根川を往く』(春風社)


◇連載=本の国へようこそ <第73回テーマ:灰島かり>
★私たちが海外の本から、違う国の文化や優れた絵、考え方に触れられるのは、紹介者としての翻訳家のおかげです。六月十四日に亡くなった灰島かりさんは、児童文学の研究者として、たくさんの名作を翻訳し、残してくれました。今回は灰島さんのお仕事を振り返る本を紹介します。
   

■5面
◇新刊=著:上田 賢一『エンタツアチャコぼくらは探偵』(河出書房新社)


■7面
◇レポート=贈呈式開催
◎第29回 三島由紀夫賞・山本周五郎賞
◎第42回 川端康成文学賞 
★6月24日、東京・虎ノ門のホテルオークラにて第29回三島由紀夫賞(蓮實重彦『伯爵夫人』新潮社)、第29回山本周五郎賞(湊かなえ『ユートピア』集英社)、第42回川端康成文学賞(山田詠美「生鮮てるてる坊主」群像【平成二十七年9月号】)の贈呈式が行われた。

◇出版メモ=
 

◇連載=ともかくスケッチ/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アートディレクター)
◎キャデラックとゴールデン街

■8面
◇特集=日本酒はなぜうまいのか?和食が世界をリードする
櫻井博志×北本勝ひこ×竹田恒泰×猪瀬直樹/日本文明研究所シンポジウム載録

★日本文明研究所、第四回シンポジウムが、五月二四日に東京・渋谷の日本経済大学で行われた。今回のテーマは「日本酒」。登壇者は、今や日本を代表する日本酒ブランド「獺祭」の蔵元・旭酒造(株)代表取締役社長の桜井博志氏と、皇學館大学非常勤講師の竹田恒泰氏、国税庁醸造試験所の鑑定官を経て現在日本薬科大学特任教授、東京大学名誉教授の北本勝ひこ氏。開会を前に、会場に冷えた「獺祭」が振る舞われ、心地よい空気の中、北本氏が「日本酒と私の麹菌人生」を講演。その後、当研究所所長で作家の猪瀬直樹氏の司会で「日本酒はなぜうまいのか?〜和食が世界をリードする」をテーマに、『古事記』から日本酒の世界進出まで、幅広く語られた。その一部を載録する。

★さくらい・ひろし氏=旭酒造(株)代表取締役社長。七六年に旭酒造に入社するも、方向性や経営をめぐって先代(父)と対立して退社。父の急逝を受けて八四年に家業に戻り、純米吟醸「獺祭」開発。一九五〇年生。
★きたもと・かつひこ氏=日本薬科大学特任教授、東京大学名誉教授。国税庁醸造試験所の研究員、福岡国税局、仙台国税局の鑑定官、醸造試験所主任研究員を経る。一九五〇年生。
★たけだ・つねやす氏=作家、皇學館大学非常勤講師。明治天皇の玄孫。『語られなかった皇族たちの真実』で山本七平賞受賞。『現代語古事記』ほか著書多数。「竹田研究会」の他、多数の講演活動を行う。一九七五年生。
★いのせ・なおき氏=作家、日本文明研究所所長、大阪府市特別顧問。著書多数、近著に『救出』『戦争・天皇・国家』『正義について考えよう』『民警』等。一九四六年生。

《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽スティーヴン・ワインバーグ著「科学の発見」(文藝春秋)
評:猪野修治(いの・しゅうじ氏=湘南科学史懇話会代表)


▽ジャン・ウリ著「精神医学と制度精神療法」(春秋社)
評:可能涼介(かのう・りょうすけ氏=批評家・精神保健福祉士)


▽久保文克著「近代製糖業の経営史的研究」(文眞堂)
評:橘川武郎(きっかわ・たけお氏=東京理科大学イノベーション研究科教授)


▽加藤尚武著「死を迎える心構え」(PHP研究所)
評:寄川条路(よりかわ・じょうじ氏=明治学院大学教授・思想文化論専攻)


■5面〈文学・芸術〉
▽矢澤美佐紀著「女性文学の現在」(菁柿堂)
評:竹内栄美子(たけうち・えみこ氏=明治大学教授・日本近代文学専攻)
女性文学の現在―貧困・労働・格差 (社会文学叢書)

▽田鎖数馬著「谷崎潤一郎と芥川龍之介」(翰林書房)
評:関口安義(せきぐち・やすよし氏=文芸評論家・都留文科大学名誉教授)


▽加古陽治著「一首のものがたり」(東京新聞)
評:五十鈴邦男(いすず・くにお氏=在野短歌研究者(団体職員))


▽姜信子著「妄犬日記」(ぷねうま舎)
評:日和聡子(ひわ・さとこ氏=詩人・作家)


■6面〈読物・文化〉
▽松村志乃著「王安憶論」(中国書店)
評:工藤貴正(くどう・たかまさ氏=愛知県立大学教授、中国近現代文学、日・中・台比較文化文学専攻)


▽円満字二郎著「漢字の使い分けときあかし辞典」(研究社)
評:青木亮人(あおき・まこと氏=近現代俳句研究者・愛媛大学教育学部准教授)


▽藤田直哉編著「地域アート」(堀之内出版)
評:影山裕樹(かげやま・ゆうき氏=編集者)


▽小島康誉・王衛東編「新疆世界文化遺産図鑑」(日本僑報社)
評:谷口陽子(たにぐち・ようこ氏=筑波大学准教授・文化財科学)


◆次号<7月8日号>予告
千葉雅也・大橋完太郎・星野太=鼎談
<カンタン・メイヤスー『有限性の後で』とSRの受容・応用の仕方>
(8頁・定価280円)

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