2017年1月20日号 3173号

280円(税込)

定価 280円(税込)

《特集》
対談=山田太一×長谷正人
不純なるシナリオの純なるもの

〈山田太一セレクション『早春スケッチブック』『想い出づくり』〉(里山社)刊行を機に

 山田太一氏の名作ドラマシナリオが、「山田太一セレクション」として里山社から復刊された。表紙に山田ドラマならではの名ゼリフが付された斬新な装幀で、昨年末『早春スケッチブック』と『想い出づくり』が、そして一月二十七日には第三弾の『男たちの旅路』が刊行となる。高度経済成長期にテレビドラマを通じて、生きることの本質を突いた名作は、現代の私たちの心に響き、また不思議に今の時代をも考えさせる。刊行を機に、山田氏と早稲田大学教授の長谷正人氏に対談をお願いした。当該作品から最近作まで、縦横にお話いただいた。

<主なコンテンツ>
1:リアリティ――現代が不合理だと切り捨てたもの
2:「うん」を「ああ」に変えられるのも嫌だ
3:シナリオは関係者を夢中にさせる
4:役者が活きる領域を大事に思う
5:僭越なこと。失いたくない感受性と想像力
6:書く責任と、書いてはいけない『希望』

<人物紹介>
★やまだ・たいち氏=脚本家、小説家。大学卒業後、松竹大船撮影所入社。演出部で木下惠介監督の助監督に。六五年、脚本家として独立。「岸辺のアルバム」「男たちの旅路」「早春スケッチブック」「想い出づくり」「ふぞろいの林檎たち」など数多くの名作テレビドラマを手がける。八八年、小説「異人たちとの夏」で山本周五郎賞、二〇一四年、エッセイ集「月日の残像」で小林秀雄賞受賞。著書、戯曲多数。一九三四年生。



★はせ・まさと氏=早稲田大学文学学術院教授・映像文化論、コミュニケーション論、文化社会学。著書に『映像文化の社会学』『敗者たちの想像力脚本家山田太一』『映画というテクノロジー経験』他、共著に『煽動の方法』『クイズ化するテレビ』他。一九五九年生。




《今週の読物》
■7面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 274回/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎絵が絵から離れる瞬間 迷宮入ドーピングアート

◇連載=現代短歌むしめがね 69回/山田航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎「オランウータンが犯人やったんか」布団のなかで子は声を上ぐ/吉川宏志『海雨』(2005)

◇連載=漢字点心 213回/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「礫」

◇連載=読写!一枚の写真から 48回/岩尾光代(いわお・みつよ氏=ジャーナリスト)
◎不忍池畔家庭副業展見物の女優連

◇連載=あの人に会いたい「経営コンサルタント・小宮一慶(上)」/江原礼子(えはら・れいこ氏=フリー編集者・ライター、イベントプランナー)

■8面
▽映画「未来を花束にして」ヘレン・パンクハースト氏来日インタビュー/インタビュアー・佐藤繭香(さとう・まゆか氏=麗澤大学准教授・イギリス女性参政権運動史専攻)

◇連載=文系学部解体―大学の未来3「なぜ誰も声を上げないのか/なぜ伝わらないのか?」◆兵式羮亜Ε魯筌轡競カズヒコ)

《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
「文化」し、複雑化する地球の歴史書
▽鎌田浩毅著「地球の歴史 上・中・下」(中央公論新社)
評:粥川準二(かゆかわ・じゅんじ氏=ジャーナリスト)


真実に光を当てる 人文主義の理想を再生しようとした皇帝
▽伊藤哲夫著「神聖ローマ皇帝ルドルフ2世との対話」(井上書院)
評:小宮正安(こみや・まさやす氏=横浜国立大学教授・ドイツ文学・ヨーロッパ文化史)


難民たちの思想 国家と文明の思うままにならぬ生へのメッセージ
▽鶴見俊輔著「敗北力」(編集グループSURE)
評:大野光明(おおの・みつあき氏=日本学術振興会特別研究員PD・歴史社会学・社会運動論)

人民「による」政治をはかる 大規模なデータセットの構築
▽小林良彰編著「代議制民主主義の計量分析 (政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究)」(木鐸社)
評:浅羽祐樹(あさば・ゆうき氏=新潟県立大学大学院教授・比較政治学・韓国政治)

■5面〈文学・芸術〉
弱い側から見た強い視線 長い間待っていた読みたい小説そのものがここに
▽今村夏子著「あひる」(書肆侃侃房)
評:山眞紀子(やまさき・まきこ氏=日本大学教授・日本近現代文学)


直に通ずるもの 徳川四天王の一人井伊直政の数奇な運命
▽岳真也著「直虎と直政」(作品社)
評:猖檄愡法覆弔もと・せいし氏=作家)


フィッツジェラルドが最晩年に挑んだ新しいスタイル
▽F・スコット・フィッツジェラルド著「パット・ホビー物語」(風濤社)
評:倉林秀男(くらばやし・ひでお氏=杏林大学准教授・言語学・アメリカ文学)


異様かつ不安定な世界へ 読者は登場人物とともに宙吊りにされる
▽ブライアン・エヴンソン著「ウインドアイ」(新潮社)
評:木下卓(きのした・たかし氏=愛媛大学名誉教授・英米文学)


■6面〈学術・読物〉
時代に寄り添い書き続ける
▽加藤秀俊著「加藤秀俊社会学選集 上下」(人文書院)
評:石井正己(いしい・まさみ氏=東京学芸大学教授・日本文学)


なぜ儀式は必要なのか?博引旁証による人類学的考察
▽一条真也著「儀式論」(弘文堂)
評:秋丸知貴(あきまる・ともき氏=滋賀医科大学非常勤講師、美学・思想史)


取材する側の"ゆらぎ" 絶滅危惧種・ヤクザとの距離感に悩む
▽東海テレビ取材班編「ヤクザと憲法」(岩波書店)
評:高鳥都(たかとり・みやこ氏=ライター)


静かで自然な視線 変容する共同体の、英雄の現れない斜事詩
▽本橋成一著「築地魚河岸ひとの町」(朝日新聞出版)
評:関野吉晴(せきの・よしはる氏=探検家・医師・武蔵野美術大学教授)



◆次号〈1月27日号〉予告
雨宮処凜・河添誠 対談=シリーズ<貧困>
『一億総貧困時代』刊行を機に
(8頁・定価280円)

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