2017年3月3日号 3179号

280円(税込)

定価 280円(税込)

《特集》
柄谷行人・渡部直己 対談 <起源と成熟、切断をめぐって>
『日本批評大全』(河出書房新社)刊行を機に

 上田秋成『雨月物語』、本居宣長『源氏物語玉の小櫛』から、小林秀雄「様々なる意匠」、大西巨人「俗情との結託」、そして蓮實重彥『夏目漱石論』、柄谷行人『日本近代文学の起源』まで、江戸後期〜近現代の批評七十編を精選、解題を付した、渡部直己『日本批評大全』(河出書房新社)が上梓された。日本の批評はいかに展開し、成熟し「切断」と「終焉」を迎えたのか。その歴史と全貌を俯瞰した一冊となっている。刊行を機に、柄谷行人氏と対談をしてもらった。


《今週の読物》
■3面
▽文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎描写にすぐれ深い味わいがある詩―武西良和『詩でつづる ふるさとの記憶』
◎力作、始まりの一行から惹かれる―大坪れみ子「事象」

◇連載=日常の向こう側ぼくの内側 280回/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎完成の放棄、未完への願望 画家とは問いを描く者。

◇連載=現代短歌むしめがね 75回/山田航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎「物静かな普通の女性。会へばいつも挨拶をする人だつた。」われは/目黒哲朗「生きる力」(2017)

◇連載=漢字点心 219回/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「醴」

◇連載=本の国へようこそ 80回
◎佐藤さとる

■4面
▽論潮・3月/面一也(おもて・かずや氏=立教大学、早稲田大学非常勤講師・政治思想)
◎アベノミクス 実に明るい将来へ 浜田内閣参与の"転向"

■5面
▽文芸・3月/馬場美佳・福島勲(ばば・みか氏=筑波大学准教授・日本近代文学、ふくしま・いさお氏=北九州市立大学准教授・フランス文学)
◎「産む」ことをめぐる物語 父乳・河童・ダクト

■8面
◇連載=文系学部解体―大学の未来3「なぜ誰も声を上げないのか/なぜ伝わらないのか?」─兵式羮亜Ε魯筌轡競カズヒコ)


《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
日本型プロパガンダの諸相 一般大衆は戦争の積極的参加者だった
▽バラク・クシュナー著「思想戦 大日本帝国のプロパガンダ」(明石書店)
評:井川充雄(いかわ・みつお氏=立教大学教授・メディア史)

十二世紀インドの代数学書とその注釈書の緻密な邦訳と詳細な研究を提供
▽林隆夫著「インド代数学研究」(恒星社厚生閣)
評:佐々木力(ささき・ちから氏=中部大学中部高等学術研究所特任教授・数学史)

■5面〈文学・芸術〉
三島を軸に昭和を浮き彫りに 著者の文学の原点にして一つの集大成
▽松本徹著「三島由紀夫の時代」(水声社)
評:山内由紀人(やまうち・ゆきひと氏=文芸評論家)

実験し続ける小説たちの油断ならないガイドブック
▽木原善彦著「実験する小説たち」(彩流社)
評:波戸岡景太(はとおか・けいた氏=明治大学准教授・アメリカ文学・現代文化論)

■6面〈読物・文化〉
ドイツ人にとっての森の意味 歴史と文化を軸に考察し、探求する
▽森涼子著「グリム童話と森」(築地書館)
評:白鳥 敬(しらとり・けい氏=サイエンスライター)

異文化体験の歴史学 一遍の書物がつむいだもう一つのジャポニスム
▽今井祐子著「陶芸のジャポニスム」(名古屋大学出版会)
評:冨田康子(とみた・やすこ氏=横須賀美術館学芸員)

文化の本質を明るみに 九名の論者がそれぞれの視点から迫る
▽田中孝信・要田圭治・原田範行編著「セクシュアリティとヴィクトリア朝文化」(彩流社)
評:木下 卓(きのした・たかし氏=愛媛大学名誉教授、イギリス文学・文化)

マクロとミクロの視点でみる江戸時代の授乳・離乳の営み
▽沢山美果子著「江戸の乳と子ども」(吉川弘文館)
評:蔦谷 匠(つたや・たくみ氏=京都大学大学院理学研究科・日本学術振興会特別研究員〈PD〉)

■7面〈文学・文化〉
死によって解放されたこの世の決まりごとを客観視する
▽松田青子著「おばちゃんたちのいるところ」(中央公論新社)
評:東 直子(ひがし・なおこ氏=歌人・作家)

当事者の思いの深さを包み込む豊かな語り
▽関礼子ゼミナール編「阿賀の記憶、阿賀からの語り」(新泉社) 
評:好井裕明(よしい・ひろあき氏=日本大学教授・社会学・エスノメソドロジー)


◆次号<3月10日号>予告
小谷野敦・小澤英実対談=「芥川賞の話をしよう」
(8頁・定価280円)

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