2017年12月1日号 3217号

280円(税込)

定価 280円(税込)

《特集》成田龍一・岩崎稔・橋爪大輝鼎談
『メタヒストリー』が現在に問いかけるもの
原書刊行から四四年、待望されていた邦訳の刊行


日本語への翻訳が「不可能」とされてきた、ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー』が、原書刊行から四四年の時を経て、遂に邦訳が上梓された(作品社刊)。歴史叙述と歴史学の在り方をめぐる論争の一つの基点となってきた書物でもあり、歴史学の領域のみならず、幅広い学問分野からの注目を集めている。同書をめぐっては、先般、東京外国語大学で開催された国際シンポジウムにも、百人を超える聴衆がつめかけた。この壮大な歴史書が、現在に問いかけるものとは何か。監訳を務めた岩崎稔(東京外国語大学教授)、歴史家の成田龍一(日本女子大学教授)、翻訳者のひとりである橋爪大輝(東京大学大学院博士課程)の三氏に鼎談をしてもらった。司会は橋爪氏が務めた。 

《今週の読物》
《今週の読物》
■3面
◇文芸同人誌評・最終回(白川正芳)
充実した特集「「大衆と潮流」とデモクラシー」――巻頭「インターネット・ユーザー―新時代の大衆」
凝縮した情念――青井奈津「美しい手」

◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 318回(横尾忠則)
絵の運命は絵のみぞ知る 映画の魅力、作り物の魅力

◇連載=現代短歌むしめがね 113回(山田航)
お客様がおかけになった番号はいま草原をあるいています/吉岡太朗『ひだりききの機械』(2015)

◇連載=漢字点心 257回(円満字二郎)
「排」

■6面
◇連載=「映画/映画作家/映画批評」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)34回(聞き手=久保宏樹)

■7面
《特集》『不寛容という不安』(彩流社)トークイベント(真鍋厚×宮台真司)

 欧米で頻発するテロ事件、ミャンマー政府によるロヒンギャ族の弾圧、そして日本では終わることのないヘイトスピーチの連鎖……。日夜報道される解決の糸口が見えないニュースが人々に重くのしかかる。
 なぜこんなに生きづらい時代になってしまったのか。現代の私たちの「不安」と「憂鬱」の正体がどのように形成されたのか、「テロリズム」、「ヴァンダリズム(文化破壊運動)」、「文化的不寛容」等を歴史的過程から掘り起こしていく『不寛容という不安』が彩流社から刊行された。
 本書著者の真鍋厚氏と社会学者の宮台真司氏が十一月十三日、東京堂書店神田神保町店で「分断と孤立を終わらせるには?」と題したトークイベントを開催。
 本書の要点を章毎に読み解きながら、不寛容という不安に覆われた社会を克服する方法を探った二人のトークから、特にキーとなる第二章、第四章、第六章、エピローグについて語った内容を一部載録した。


《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽三澤真美恵編「植民地期台湾の映画」(東京大学出版会)
評:四方田犬彦(よもた・いぬひこ=映画評論家)

▽木下光生著「貧困と自己責任の近世日本史」(人文書院)
評:今野晴貴(こんの・はるき=NPO法人POSSE代表)

▽玉田龍太朗著「三木清とフィヒテ」(晃洋書房)
評:小川 侃(おがわ・ただし=京都大学名誉教授、豊田工大文系アドバイザー)
 
■5面〈文学・芸術〉
▽張愛玲著「中国が愛を知ったころ」(岩波書店)
評:鈴木将久(すずき・まさひさ=一橋大学教授・中国文学)

▽郭南燕編著「キリシタンが拓いた日本語文学」(明石書店) 
評:中川成美(なかがわ・しげみ=立命館大学特任教授・日本近現代文学・文化、比較文学)

▽グスタフ・マイリンク著「ワルプルギスの夜」(国書刊行会)
評:湯山光俊(ゆやま・みつとし=文筆家、哲学)
 
■6面〈読物・文化〉
▽槇文彦著「残像のモダニズム」(岩波書店)
評:内田青蔵(うちだ・せいぞう=建築史家・神奈川大学教授)

▽渡辺京二著「死民と日常」(弦書房)
評:市川紀行(いちかわ・のりゆき=詩人・地域劇団主宰・元茨城県美浦村長)

▽鶴岡真弓著「ケルト 再生の思想」(筑摩書房)
評:磯部直希(いそべ・なおき=立命館大学文学部助教・美術史・芸術学)

▽フランス・ドゥ・ヴァール著「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」(紀伊國屋書店)
評:蔦谷 匠(つたや・たくみ=京都大学大学院・理学研究科・日本学術振興会特別研究員(PD))

〈書評キャンパス 大学生がススメる本〉
▽フランソワーズ・サガン著『悲しみよこんにちは』(新潮社)
評:乙部修平(おとべ・しゅうへい=上智大学文学部国文学科2年)


◆次号<12月8日号>予告
宇野維正・速水健朗対談
『小沢健二の帰還』(岩波書店)刊行を機に
(8頁・定価280円)

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