2015年3月6日号 3080号

280円(税込)

定価 280円(税込)

▼特集▼
◇猪瀬直樹×石井光太トークイベント載録 <3・11を語り継ぐ>
『救出』(河出書房新社)、『遺体』(新潮社)を中心に

★まもなく東日本大震災から丸4年が経つ。1月末に作家の猪瀬直樹氏がノンフィクション『救出 3.11気仙沼 公民館に取り残された466人』を上梓した。その刊行記念として、2月19日19時から東京堂書店神田神保町店東京堂ホールで、トークイベント「3・11を語り継ぐ」を開催。お相手は、作家の石井光太氏。震災当時、東京都副知事として被災者の救助・支援に奔走した猪瀬氏と、震災直後被災各地に赴き、その惨状を『遺体 震災、津波の果てに』『津波の墓標』他にルポルタージュした石井氏が、当時の臨場感を振り返り、ノンフィクション論をも語るひとときとなった。その内容を載録する。

<主なコンテンツ>
1:臨場感―震災当日自分は何をしていたか
2:一通の緊急SOS(ツイート)を巡る一筋のライン
3:死を見つめないメディア 報道と現実との乖離
4:ごくふつうの市民たちが置かれた極限の現実
5:崩壊した日常と「良心」、日本人的異質
6:発見する物語―一筋の必然の糸を検証する

※いのせ・なおき氏=作家。87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、02年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。その戦いを描いたのだ『道路の権力』『道路の決着』。06年10月、東京工業大学特任教授、07年6月、東京都副知事に任命される。2012年12月、東京都知事に就任。2013年12月辞任。1946(昭和21)年生。
       
※いしい・こうた氏=作家。国内外の文化、歴史、医療などテーマに取材、執筆活動を行う。著書に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『レンタルチャイルド』『地を這う祈り』『ルポ 餓死現場で生きる』『遺体』ほか。1977(昭和52)年生。
      

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第40回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<田舎道>1974年 シリーズ「村へ」 

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<第181回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎夢に天使の記憶 夢の夢なる現実に欣喜雀躍
◆連載=『週刊コウロン』波乱短命顛末記<第84回>/水口義朗(みずぐち・よしろう氏=文芸評論家)
◎「風流奇譚」事件の傷跡はいえない 言論・表現の自由は日々の闘いの中にある
◆連載=漢字点心<第124回>/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
「頁」
◆連載=映画時評<3月>/伊藤洋司(いとう・ようじ氏=中央大学教授・フランス文学専攻)
◆本の国へようこそ<第57回> テーマ:読み応え
★今月は読み応えのある児童文学が揃いました。ミステリアスなおとぎ話、古の日本を舞台としたファンタジー、実際の悲劇を下地にした物語、そして児童文学の第一人者石井桃子氏の自伝的小説。児童文学の名手たち、その感性と言葉づかいが生み出す世界を、大人もご一緒にお楽しみください。
選書:銀座教文館 子どものみせナルニア国 菅原幸子さん
◎著:トンケ・ドラフト、絵:宮越暁子、翻訳:西村由美『踊る光』(岩波書店)

◎著:荻原規子『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)

◎著:カレン・ヘス、訳:伊藤比呂美『リフカの旅』(理論社)

◎著:石井桃子『幻の朱い実(上・下)』(岩波現代文庫)
 

■4面
◆連載=論調<3月>/羽根次郎(はね・じろう氏=明治大学専任講師・中国現代論専攻)
◎普遍的思考の再生を 相手の問題を「われわれの問題」とみなせる想像力

■5面
◆連載=文芸<3月>/倉本さおり(くらもと・さおり氏=ライター)
◎ハーメルンの笛の真贋 「若者」のイメージの更新を迫る作品たち
◆近刊セレクト=
◎著:ミラン・クンデラ『無意味の祝祭』(河出書房新社)

◎著:ダイアン・アッカーマン『愛のための100の名前』(亜紀書房)

◆新刊=
◎著:彩藤アザミ『サナキの森』(新潮社)


■7面
◆詳細レポート=公共図書館はほんとうに本の敵? 図書館・書店・作家・出版社が共生する「活字文化」の未来を考える 主催=日本文藝家協会、協力=21世紀の出版を考える会有志
【トピック】仝共図書館の問題点とは 公共図書館と大学図書館 市民と図書館の関係性
紀伊国屋じぶん大賞2015 全国主要店舗でフェア開催〜3月上旬まで
【大賞】
著:東浩紀『弱いつながり――検索ワードを探す旅』(幻冬舎)

◆連載=ともかくスケッチ<第9回>/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アートディレクター)
◎ジュッちゃん チャチャチャッ!!
◆受賞=
【第66回読売文学賞】
【2作同時受賞 第35回日本SF大賞】
◆ブックサロン=
◎著:ともみつえみこ『くさとりばあちゃん』(文芸社)


■8面
◆今、「震災とフクシマ」をどう語るか ―思想と教育現場の往復を― 対談=開沼博×先崎彰容
★あの悪夢から間もなく4年―。2011年3月11日、東北地方を中心に東日本大震災が発生した。福島県、なかでも「浜通り地域」は、津波と地震災害に加え、沿岸に位置する東京電力福島第一原発事故の「三重苦」に直面した。それは被災地の中でも特別な問題を私たちに投げかけ続けている。震災の喧騒は終りつつある。しかし震災が炙りだしたこの国の課題はむしろますます顕在化しているのではないだろうか。
そこで今回、福島県にゆかりのある気鋭の論客二人に「フクシマの"今"」を考えていただいた。少子高齢化、若者の離村、電力問題―震災後の福島で暮らしていくにはどうすべきなのか。遠からず日本全体が真剣に考えなければならない問題の縮図が、ここにあると思われる。
対談ではいくつかのトピックがあがったが、両氏が所属する「大学」という場所の地域における役割についても論じていただいた。なぜなら大学は、社会人を養成する最終段階を担う機関であり、かつ地域の拠点でもある。その大学は何ができるのか、またすべきなのか。
大学の就職予備校化はしばしば指摘されることでもあり、またその反発から、人文的教養を擁護・主張する言論も巷にあふれている。このジレンマもまた、現場即応型の人間養成を求められ、一方で教養教育をおこなう場所でもある地方大学にこそ縮図がある。大学に所属する人間として、現在進行形の問題である「フクシマ」をどう見つめ、知の発信を続けていくのか。
以上のような論点のもと、いわき市にある東日本国際大学教授・先崎彰容氏と、いわき市に生まれ育ち、新刊『はじめての福島学』をはじめとする一連の著作で「フクシマ」を見続けてきた福島大学特任研究員・開沼博氏に対談をお願いした。

<主なコンテンツ>
1:「数字と言葉の往復」が必要
2:大学教育における「言葉」の大切さ
3:危機的状況にこそイノベーション
4:3・11の「あの瞬間」に躓き続ける

★せんざき・あきなか氏=東日本国際大学教授・近代日本思想史・日本倫理思想史専攻。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。著書に『個人主義から<自分らしさ>へ』『ナショナリズムの復権』など。1975年生。
    

★かいぬま・ひろし氏=福島大学特任研究員・社会学専攻。東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍。著書に『「フクシマ」論』『フクシマの正義』『漂白される社会』など。新刊に『はじめての福島学』がある。1984年生。
   

▼今週の書評▼
■4面<学術 思想>
◆著:岡田温司『イメージの根源へ 思考のイメージ論的転回』(人文書院)
評:河本真理(こうもと・まり氏=日本女子大学教授・西洋美術史専攻)


◆著:石前禎幸『他者のトポロジー 人文諸学と他者論の現在』(書肆心水)
評:湯浅博雄(ゆあさ・ひろお氏=東京大学名誉教授・フランス文学者)


■5面<文学 芸術>
◆著:大森雅子『時間を打破する ミハイル・ブルガーゴフ論』(成文社)
評:中村唯史(なかむら・ただし氏=山形大学教授・ロシア文学専攻)

◆著:ジェイムズ・ジョイス『スティーヴン・ヒーロー 『若い芸術家の肖像』の初稿断片』(松柏社)
評:近藤耕人(こんどう・こうじん氏=評論家)


■6面<読物 文化>
◆著:橋本照嵩『石巻 2011.3.27〜2014.5.29』(春風社)
評:柳田邦男(やなぎだ・くにお氏=作家)


◆著:堀之内清彦『メディアと著作権』(論創社)
評:川瀬真(かわせ・まこと氏=横浜国立大学大学院教授・著作権法専攻)


◆著:木村元彦『オシム 終わりなき闘い』(NHK出版)
評:有元健(ありもと・たけし氏=国際基督教大学・スポーツ文化論専攻)


◆著:波多野勝『奈良武次とその時代 陸軍中枢・宮中を歩んだエリート軍人』(芙蓉書房出版)
評:戸部良一(とべ・りょういち氏=国際日本文化研究センター名誉教授・帝京大学教授・日本政治外交史専攻)

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