2015年5月22日号 3090号

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▼特集▼
◇谷川直子×栩木伸明対談 <詩という永遠の問いを>
『四月は少しつめたくて』(河出書房新社)刊行を機に



★『文藝』2015年春号に掲載され、各紙誌の文芸時評等で話題となった『四月は少しつめたくて』は、2012年に『おしかくさま』で文藝賞を受賞した谷川直子氏の3作目。詩と言葉について深く追究するこの小説は、詩のほんとうの力やすり減って意味を失った言葉の再生を、読者に体験させてくれる作品。アイルランド文学者で、詩を中心に多くの作品翻訳を手掛ける栩木伸明氏に、谷川氏との対談をお願いした。谷川作品のみならず、詩集を手に取りたくなったり、周囲の言葉に耳をすませたくなる文学対談となった。詩のコミュニティは失われてはいなかった!

<主なコンテンツ>
1:詩についての深い思念の物語
2:人を生かしも殺しもする、詩は滅んでいない
3:矛盾する考えを同時に生きる"人"への興味
4:「謝罪は権力を生む」詩の言葉に宿る叡智
5:詩のアンソロジーとしても楽しめる小説
6:詩とは…「ほんとうの言葉」を見出す体験

★たにがわ・なおこ氏=小説家、エッセイスト。2012年『おしかくさま』で第49回文藝賞受賞。著書に、小説『断貧サロン』、エッセイ『競馬の国のアリス』『お洋服はうれしい』等。1960年生。
  

★とちぎ・のぶあき氏=早稲田大学文学学術院教授・アイルランド文学・文化専攻。2014年『アイルランドモノ語り』で第65回読売文学賞受賞。著書に『アイルランド現代詩は語る』『声色つかいの詩人たち』他、訳書に『シャムロック・ティー』『赤毛のハンラハンと葦間の風』他多数。1958年生。
  

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第50回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<アムステルダムの集合住宅>1979年 シリーズ「1920年代ドイツ表現派の旅」 
★「村へ」展につづいて七九年に「浦安」展をツァイト・フォトで開いた。その時に石原と「村へ」の後の写真をどうするかについて話をした。「村へ」とはまったく…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<第191回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎火山活動続く箱根へ。湧く湧く創作意欲!
◆連載=『週刊コウロン』波乱短命顛末記<第94回>/水口義朗(みずぐち・よしろう氏=文芸評論家)
◎"魔の参謀"辻政信のラオス潜行最終取材 蒋介石の密使から中国へすり寄った果てに
◆連載=漢字点心<第134回>/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
「捺」
◆著者から読者へ
<本世代を超える共通言語 「本と人と町」に出会う旅> 南陀楼綾繁
★大学生の頃、『全国古本屋地図』(日本古書通信社)を手に、各地の古本屋を訪ね歩くのが楽しみだった。行き方の説明で右と左が逆だったり…続きは本紙へ
◎著:南陀楼綾繁『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)

◆連載=読写!<第28回>/岩尾光代(いわお・みつよ氏=ジャーナリスト)
<待遇改善に関し廃兵陸軍省に請願>…気になる写真は本紙で!
★社会のどん底に投げ込まれ惨めな生活に泣いている廃兵諸君の待遇改善に就き、示威行列をして大蔵省や貴族院に迫ったが何の効果もないので、更に3月15日約200の廃兵達は「隊長殿にだまされた閣下連の踏台」云々悲惨な文句を紙製ポスターに書し陸軍省に出頭、同日警視庁をも訪問した。(『写真通信』大正11年5月号)
◆文庫日和=
◎著:姫野 カオルコ『整形美女』(光文社文庫)

★1999年刊行作品のリニュアル版。ベースには「エデンの東」のカインとアベルの物語。現代の甲斐子(カイン)と阿倍子(アベル)は、それぞれ違った理由から美容整形を施す。美しさや幸福は一色ではないことに、立ち止る一冊。(331頁・600円・光文社文庫)

■4面
◆スポットライト=著:新谷 尚紀『葬式は誰がするのか』(吉川弘文館)

★超高齢化社会を、日本も迎えつつある中で、葬儀や葬送への関心が高まっている。いかに死者を弔い、またいかに弔ってほしいのか。「ゼロ葬」や「終活」といった言葉も近年では生まれた。本書は、葬送の歴史を追い、日本各地の葬送事例から、葬儀とそ、葬儀とその担い手の変遷を民俗学的視点から解き明かそうとした一冊である。

■5面
◆著:ワシーリー・グロスマン『システィーナの聖母――ワシーリー・グロスマン後期作品集』(みすず書房)

★スターリン死後の作品を集成。社会主義体制下の困難な生と輝きを描いた歴史的証言にして􅄡世紀文学の達成。

◆著:ロベルト・ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』(白水社)

★極右の人種主義者、狂信的なファシストたちの奇妙な文学的営為。おぞましくもどこか切なく滑稽な「悪党列伝」。

◆著:ルネ・ナイト『夏の沈黙』(東京創元社)

★手にした本に自分が登場したら?しかも隠し続けてきた秘密を暴露する物語だったら?

■6面
◆特集=安井泉講演 「アリスの話はつきない ―英語学者と旅する不思議の国―」載録

★毎年恒例の日本英文学会企画。今年は英米文学研究書案内に加えて、4月22日に日比谷図書文化館で開催された『不思議の国のアリス』刊行150周年記念講演会「アリスの話はつきない―英語学者と旅する不思議の国―」の模様を一部載録。紙面には筑波大学名誉教授で日本ルイス・キャロル協会会長の安井泉氏による講演と、第87回日本英文学会全国大会に寄せて東京大学准教授の大石和欣氏にエッセイをご寄稿いただいた。

<主なコンテンツ>
1:『不思議の国のアリス』をどう読むのがいいか
2:『不思議の国のアリス』のキーワード
3:物語の終わり お姉さんの夢

    


◆日本英文学会 第87回全国大会を機に/<人文学の瓦礫と天使>大石和欣(おおいし・かずよし氏=東京大学准教授・イギリス文学・社会史専攻)

■8面
◆新刊=
◎著:長谷川 博『オキノタユウの島で 無人島滞在“アホウドリ”調査日誌』(偕成社)


■9面
◆追悼=改革の政治学者・松下圭一を悼む/大塚信一(おおつか・のぶかず氏=元岩波書店社長・東アジア出版人会議最高顧問)

   

★松下圭一氏(まつした・けいいち=政治学者・法政大学名誉教授)5月6日、心不全の為、都内の自宅で死去した。85歳。
 氏は、1929(昭和4年8月19日生まれ、福井県福井市出身。52年東京大学法学部政治学科卒。在学中は学生新聞編集長を務め、丸山眞男ゼミで学ぶ。法政大学助教授などを経て同大学教授。国家統治型から市民自治による分権型の政治への転換を提唱し、地方分権改革に強い影響を与えた。71年「シビル・ミニマムの思想」で毎日出版文化賞、72年「市民参加」の責任編集・「市民参加とその歴史的可能性」で吉野作造賞を受賞。ほかの著書に「現代政治の条件」「市民自治の憲法理論」「社会教育の終焉」「政策型思考と政治」「ロック『市民政府論』を読む」など多数。日本政治学会理事長や日本公共政策学会会長も務めた。

◆連載=ともかくスケッチ<第14回>/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アートディレクター)
◎ものを視る、手を動かす

◆受賞=
【第59回】第59回岸田國士戯曲賞
山内ケンジ「トロワグロ」

◆出版メモ=
リニューアル創刊第1号「myb(みやびブックレット)」(みやび出版)


■10面
◆特集=日本屈指の経営資料が語る 三井の350年
三井文庫開設50周年・三井記念美術館開館10周年 記念特別展I 後期



★5月14日から、東京・日本橋室町の三井記念美術館で、「三井の文化と歴史」展後期「日本屈指の経営史料が語る三井の350年」が開催されている。三井文庫開設50周年・三井記念美術館開館10周年を記念した特別展で、前期「茶の湯の名品」(5月6日まで)につづくシリーズ企画。後期は、三井文庫所蔵史料から経営史料を選りすぐり、貴重な文書類・関連器具・絵画等を展示する。17世紀後半に三井高利によりはじまり、三井財閥、そして戦後の三井グループ誕生にいたる歴史までをたどる。展覧会の意義と見所について、三井文庫主任研究員・吉川容、同研究員・村和明の両氏にお話しをうかがった。

<主なコンテンツ>
1:必見の史料
2:歴史編纂への意志
3:プロセスを見る

<三井の文化と歴史・後期「日本屈指の経営史料が語る三井の350年」展>
【会期】5月14日〜6月10日(月曜休館)
【時間】10時〜17時
【場所】三井念美術館(東京メトロ銀座線「三越前」駅徒歩1分、03-5777-8600)
【料金】一般500円/大学・高校生200円/中学生以下無料/70歳以上400円
【主催】公益財団法人三井文庫・三井記念美術館後援=三井広報委員会・三友新聞社

▼今週の書評▼
■4面<学術 思想>
◆著:小林康夫『君自身の哲学へ』(大和書房)

◆著:荒川 修作『幽霊の真理―絶対自由に向かうために』(水声社)
評:西山雄二(にしやま・ゆうじ氏=首都大学東京准教授・フランス思想専攻)

◆著:小川敦『多言語社会ルクセンブルクの国民意識と言語』(大阪大学出版会)
評:平高史也(ひらたか・ふみや氏=慶應義塾大学教授・社会言語学・言語教育・言語政策専攻)


◆著:バリー・R・コミサリュック『オルガスムの科学――性的快楽と身体・脳の神秘と謎』(作品社)
評:斎藤光(さいとう・ひかる氏=京都精華大学教授・科学史専攻)


■5面<文学 芸術>
◆著:ミラン・クンデラ『無意味の祝祭』(河出書房新社)
評:堀千晶(ほり・ちあき氏=仏文学者)


◆著:ダイアナ・ウィン ジョーンズ『ファンタジーを書く: ダイアナ・ウィン・ジョーンズの回想』(徳間書店)
評:西村醇子(にしむら・じゅんこ氏=白百合女子大学非常勤講師・英語圏児童文学専攻)


◆著:ベニート ペレス=ガルドス『ドニャ・ペルフェクタ: 完璧な婦人』(現代企画室)
評:立林良一(たてばやし・りょういち氏=同志社大学准教授・ラテンアメリカ文学専攻)


◆著:尉 天驄『棗と石榴』(国書刊行会)
評:澤井律之(さわい・のりゆき氏=京都光華女子大学教授・中国近現代文学専攻)


■8面<読物 文化>
◆著:三上 豊『針生一郎蔵書資料年表―美術・文学・思想』(せりか書房)
評:前田耕作(まえだ・こうさく氏=和光大学名誉教授・アジア文化研究者)


◆著:高山 文彦『宿命の子』(小学館)
評:御厨貴(みくりや・たかし氏=政治学者・東京大学名誉教授)


◆著:山本信太郎『赤坂、夜の昭和史: ニューラテンクォーターと「昭和」のスターたち』(読書人)
評:田崎健太(たざき・けんた氏=ノンフィクションライター)


◆著:大井健輔『津田左右吉、大日本帝国との対決 天皇の軍服を脱がせた男』(勉誠出版)
評:先崎彰容(せんざき・あきなか氏=東日本国際大学教授・倫理学専攻)

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