2015年6月5日号 3092号

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▼特集▼
◇対談=角田光代・芳川泰久 <新しいプルースト体験>
『失われた時を求めて 全一冊』(新潮社)刊行を機に



★20世紀文学の最高峰の一つと言われながら、あまりにも喧伝されすぎた「難解さ」と、日本語にして四百字詰め原稿用紙で一万枚を超える長さが読者の前に関門として立ちはだかってきた『失われた時を求めて』が、フランス文学者と女性作家のコラボレーションによって、その香気を失うことなくおよそ十分の一の長さに圧縮された全一冊となって私たちの目の前に姿をあらわした。たんなる名場面集でもなく継ぎはぎのダイジェストでもなく、はじめからこのかたちでプルーストが書いていたかのようにさえ思えるこの全一冊について編訳者の角田光代氏と芳川泰久氏のお二人に対談をお願いした。

<主なコンテンツ>
1:プルーストの文章と正面から格闘
2:プルーストよりプルースト的
3:時間を超越して失われた時に触れる
4:翻訳の新しいかたちを見せた今回の試み
5:ヴェネツィアのサン=マルコ寺院へ
6:文章とお互いに触りながら読む

※かくた・みつよ氏=作家。早大卒。著書に「まどろむ夜のUFO」「キッドナップ・ツアー」「空中庭園」「対岸の彼女」「八日目の蝉」「ツリーハウス」「紙の月」「かなたの子」「私のなかの彼女」「平凡」など。1976年生。
      

※よしかわ・やすひさ氏=早稲田大学教授、文芸評論家。早大大学院後期博士課程修了。著書に「小説愛」「闘う小説家 バルザック」「歓待」「金井美恵子の想像的世界」、訳書にクロード・シモン「農耕詩」など。1951年生。
     

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第52回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<アインシタイン塔>1980年 シリーズ「1920年代ドイツ表現派の旅」
★ドイツ語を私はまったく話せないので、通訳と案内を、ライカを学問にまで高めて、今はライカ学で有名な、当時ウィーンに八年間滞在していた田中長徳に依頼した。つまりこの撮影は長徳さんの善意なくしては不可能だった。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<第193回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎肉体の重力からの解放。タマ一歳、忌日=誕生日。
◆連載=『週刊コウロン』波乱短命顛末記<第96回>/水口義朗(みずぐち・よしろう氏=文芸評論家)
◎「松川事件」無罪判決の瞬間を傍聴 『公論』と『読書人』に寄稿した松本清張
◆連載=漢字点心<第136回>/円満字二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
「饕」※音読みで「トウ」
◆訳者から読者へ
<ルワンダ大虐殺の極限のなか 深められた神との対話> 原田葉子
★1994年にルワンダで大虐殺が起きたとき、大学生だったイマキュレー・イリバギザは、復活祭の休暇で実家に帰省していた。大統領機の撃墜をきっかけとして、フツ族によるツチ族の殺戮が一夜にして始まると、ツチであるイマキュレーは近くに住むフツの牧師に助けを求め、その家の狭いトイレに、約3か月にわたって他の7人のツチ女性とともに匿われ、かろうじて生き延びた。…続きは本紙へ
◎著:イマキュレー イリバギザ、訳:原田葉子『薔薇の祈り』(女子パウロ会)
薔薇の祈り―ルワンダ虐殺、ロザリオの祈りに救われて
◆連載=文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎きりりと引き締まった好エッセイ(著:清水亮鳴『同行二人(その意義)』
◎日常を才筆で描いて読ませる小説(著:浅井梨恵子『紙飛行機』
◆文庫日和=
◎編:池内紀、川本三郎、松田哲夫『日本文学100年の名作』(新潮文庫)
★1914―1923の第1巻から始まり、毎月一冊刊行されてきた名作中短編集も、第10巻「バタフライ和文タイプ事務所」で2004―2013の現代へ。タイトルとなる小川洋子の短編の他、桐野夏生、吉田修一、三浦しをん、角田光代、森見登美彦、木内昇、􆋃村深月、伊坂幸太郎、絲山秋子ほか、今をときめく16人の作品を、プチフール、或いは、香の物を味わうごとくに。100年のアンソロジーも、最終巻。
   

■4面
◆論調<6月>/羽根次郎(はね・じろう氏=明治大学専任講師・現代中国論選考)
◎G型とL型の二種の大学教育 「正規品」たるエリートと「バルク品」たるノンエリートとの「分別」

■5面
◆文芸<6月>/倉本さおり(くらもと・さおり氏=ライター)
◎幻の「二回転半」 見えない「リアリティ」を絶えず追求すること
◆新刊=
◎著:スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』(国書刊行会)


■6面
◆近刊セレクト=
◎著:日比野由利『ルポ 生殖ビジネス』(朝日新聞出版)
★代理母先進国の当事者、関係者にインタビューし、代理出産の今と将来を描き出す。

◎著:新垣 隆『音楽という<真実>』(小学館)
★様々な音楽と人間との出会い、佐村河内事件の真相と再出発を語る。


■7面
◆新刊=
◎著:松本 三喜夫『歴史と文学から信心をよむ』(岩田書院)


■8面
◆出版メモ=
◎著:鈴木 肇『レーニンの誤りを見抜いた人々: −ロシア革命百年、悪夢は続く−』(恵雅堂出版)



◎著:樺山 紘一『探検と冒険の歴史大図鑑』(丸善出版)


◎著:柳原 敏昭『平泉の光芒 (東北の中世史)』(吉川弘文館)


◎イースト新書Q 創刊 第1弾4タイトル刊行/株式会社イーストプレス
   

◆連載=ともかくスケッチ<第15回>/長友啓典(ながとも・けいすけ=アートディレクター)
◎映画が教えてくれたこと

▼今週の書評▼
■4面<学術 思想>
◆著:三浦 篤『まなざしのレッスン2 西洋近現代絵画』(東京大学出版会)
評:河本真理(こうもと・まり氏=日本女子大学教授・西洋美術史専攻)


◆著:成田 龍一『加藤周一を記憶する』(講談社)
評:佐藤泉(さとう・いずみ氏=青山学院大学教授・近現代日本文学専攻)


■5面<文学 芸術>
◆著:青来 有一『人間のしわざ』(集英社)
評:井口時男(いぐち・ときお氏=文芸評論家)


◆著:和田博文『〈異郷〉としての大連・上海・台北』(勉誠出版)
評:鈴木将久(すずき・まさひさ氏=一橋大学教員・中国文学専攻)


■6面<読物 文化>
◆著:濱田武士『福島に農林漁業をとり戻す』(みすず書房)
評:寺西俊一(てらにし・しゅんいち氏=一橋大学大学院特任教授・環境経済学専攻)


◆著:緑慎也『ベンツ』(ポプラ社)
評:松永正訓(まつなが・ただし氏=小児外科医・作家)


◆著:小島豊美とアヴァンデザイン活字楽団『昭和のテレビ童謡クロニクル 『ひらけ! ポンキッキ』から『ピッカピカ音楽館』まで』(DU BOOKS発行、ディスクユニオン発売)
評:野上暁(のがみ・あきら氏=子ども文化評論家)


◆著:山家 悠平『遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説』(共和国)
評:青山薫(あおやま・かおる氏=神戸大学教授・社会学・ジェンダー/セクシュアリティ専攻)


■7面<学術 読物>
◆著:岩井 克人『経済学の宇宙』(日本経済新聞出版社)
評:塚本恭章(つかもと・やすあき氏=愛知大学専任教員・経済学博士・社会経済学専攻)


◆著:植木 久行『中国詩跡事典』(研文出版)
評:沓掛良彦(くつかけ・よしひこ氏=東京外国語大学名誉教授・西洋古典文学専攻)

◆著:金 彦鎬『本でつくるユートピア―韓国出版 情熱の現代史』(北沢図書出版)
評:蔡星慧(チェ・ソンへ氏=学習院女子大学ほか非常勤講師・出版、マス・コミュニケーション専攻)

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