2015年9月4日号 3105号

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▼特集▼
◇小沢信男・黒川創対談<追悼 鶴見俊輔>

哲学者・評論家の鶴見俊輔が7月20日に亡くなった。93歳だった。戦後直後に「思想の科学」を丸山眞男、都留重人らと創刊し、著述のみならず社会運動にも深くコミットし、戦後リベラル思想の代表的知識人として知られた。この六月には、『昭和を語る―鶴見俊輔座談』(晶文社)が刊行されたばかりだった。作家の小沢信男、黒川創の両氏に、追悼の対談をしてもらった。

★つるみ・しゅんすけ(1922〜2015)は哲学者・評論家。1938年、16歳で渡米。39年ハーバード大学入学、42年同大学哲学科卒。46年に雑誌「思想の科学」を創刊。プラグマティズムの紹介から大衆研究、思想史研究、「転向」についての共同研究など、独自の領域を確立する。東京工業大学助教授、同志社大学教授などを歴任。ベ平連などの市民運動で中心的役割を果たす。2004年に、小田実、加藤周一、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人になる。著書に「戦時期日本の精神史」「限界芸術論」「夢野久作」「鶴見俊輔書評集成」「転向研究」など。

     

<主なコンテンツ>
1:70年間の抵抗運動
2:50年前の出来事
3:花田清輝のテーゼ
4:『思想の科学』創刊の頃
5:よくはずむ毬のように
6:鶴見俊輔流編集術

★おざわ・のぶお氏は作家。著書に「東京骨灰紀行」「捨身な人」「裸の大将一代記」など。1927年生。
   

★くろかわ・そう氏は作家。十代の頃から「思想の科学」に携わり、鶴見俊輔らとともに編集活動を行う。著書に「鷗外と漱石のあいだで」など。1961年生。
    

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第64回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<姉妹>1986年 シリーズ「信濃遊行」
★夏の夜の新宿駅構内には、信州の山へ行く登山客たちが夜行列車を待って行列していた…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<206回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎余生はよせよっ。おでんと蟬と宇宙から見る人の命
◆著者から読者へ=
◎知の循環を止めるな/日比 嘉高

※ひび・よしたか氏=名古屋大学大学院文学研究科准教授・近現代日本文学・文化専攻
◆連載=現代短歌むしめがね<第4回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎ラインから消去されてる 白と黒 わたしの特技は嘘をつくこと
◆連載=漢字点心<第148回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「政」
◆連載=文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎才筆、自然な感情の吐露(著:峯岸菜々子「さくら」)
◎愛情のこもった独自な村上春樹論(著:小松たえこ「渡辺昇(ワタナベ・ノボル)という名前―村上春樹と安西水丸」
◆連載=フォト&アート
◎JAPAN ロバートブルーム画集

◆文庫日和=
◎著:村崎 修三『乙女のふろく ―明治 大正 昭和の少女雑誌―』(青幻舎)

◆文学館散歩=
中勘助文学記念館
漱石の推薦により東京朝日新聞に連載され、今でも読み継がれる『銀の匙』。その作者・中勘助は、静養のため昭和18年、安倍郡服織村新間字樟ヶ谷(前田家の離れ、現在の杓子庵)に移り住んだ。その後移り住み終戦を迎えた、服織村羽鳥を題材にして描かれた作品が多く残されている。現在、中勘助が住んだ旧前田邸が記念館となり、復元された杓子庵は歌会・句会などにも活用できる場となっている。

■4面
◆連載=論調<9月>/羽根次郎(はね・じろう氏=明治大学専任講師・現代中国論専攻)
◎右も左もない不思議な時代 安保法制の脱ネーション性の前に

■5面
◆連載=文芸<9月>/倉本さおり(くらもと・さおり氏=ライター)
◎記憶の扉と日常の中の迷路 川上未映子「苺ジャムから苺をひけば」

◆新刊=
◎著:パトリス ルコント『いないも同然だった男』(春風社)


◆近刊セレクト=

★親友・山田太一に宛てた、寺山修司の幻の書簡!まだ何者でもなかった青年たちの、現在進行形の青春物語。


★2022年仏大統領選。極右・国民戦線党首を破り、イスラーム政権が誕生する。シャルリー・エブド事件当日に発売された予言の書。

■7面
◆レポート=
◎『私の八月十五日』『漫画家たちのマンガ外交』刊行記念 <石川好講演会>開催
★8月9日、紀伊國屋書店新宿本店4階フォーラムにて、『私の八月十五日』(今人舎刊)『漫画家たちのマンガ外交』(彩流社刊)刊行記念、石川好講演会が行われた。 本講演は2004年に刊行された『私の八月十五日〜昭和二十年の絵手紙』に端を発している。同書は森田拳次、ちばてつや、林家木久扇、海老名香葉子ら100名以上の戦争体験者が日本の敗戦の日の記憶を自分たちの言葉や絵で残すという試みで作られたものである。石川好氏は同書の中国語版製作を手がけ、中国各地で同書に収められた絵と手記の展覧会を行っており、そのことを著したものが『漫画家たちのマンガ外交』であり、同書の復刊事業として昨年より進められ、今年刊行されたのが『私の八月十五日』〈1〉〈2〉である。 講演は石川氏がなぜ『私の八月十五日〜昭和二十年の絵手紙』を中国で刊行することになったのか、また展覧会を開催するまでに至った経緯を語られた。
  

■8面
◆書店街=
ブックファースト「第二次世界大戦と日本」フェアを全店で開催中(9月11日まで)
★戦後70年を迎えたこの夏、書店では様々な関連ブックフェアを開催しているが、書店大手のブックファーストは、関東・関西の計40店舗で表題の大型合同フェアを全国展開して注目を集めた。 中でも旗艦店の東京・新宿店では、棚4本に約1300タイトルを集める大規模なフェアを開催中だ。「戦いのはじまり」「戦いの最中」「戦いの終焉」の3つの大きなカテゴリーに区分し、内容は学術・研究書、評論、読物・評伝、ルポルタージュと多岐にわたる。版型も大部なものから入門書的な新書版まで、実に壮観だ。

◆トピック=切通理作氏 出版プロジェクト『85歳の被爆者 歴史をけさないために』
★批評家の切通理作氏が、母でノンフィクション作家の狩野美智子氏と対話する本『85歳の被爆者 歴史を消さないために』を出版予定。
被爆当時15歳であった狩野氏が長崎の爆心地1・2劼撚燭鯊慮海掘△匹里茲Δ棒犬延びたのか。勤労動員で学ぶことを奪われた少女が「女が大学に行くなんて」という風潮がまだ強かった時代に、働きながら自費で進学し、やがて定時制高校の教師として、貧しくても学びたいと願う若者たちに向き合うことになる。

◆出版メモ=
 

◆連載=田原総一朗の取材ノート/田原総一朗(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)
◎後方支援が実施される「事態」

▼今週の書評▼
■4面<学術 思想>
◆著:アラン・バディウ『人民とはなにか?』(以文社)
評:岡本源太(おかもと・げんた氏=岡山大学准教授・美学専攻)


◆著:佐伯 順子『男の絆の比較文化史――桜と少年』(岩波書店)
評:南伽山アキコ(ナカヤマ・アキコ氏=書籍編集・美術家)


■5面<文学 芸術>
◆著:エドゥアルド メンドサ『グルブ消息不明』(東宣出版)
評:豊崎由美(とよざき・ゆみ氏=書評家)


◆著:相本 資子『ドメスティック・イデオロギーへの挑戦―一九世紀アメリカ女性作家を再読する』(英宝社)
評:大串尚代(おおぐし・ひさよ氏=慶應義塾大学教授・アメリカ文学専攻)
ドメスティック・イデオロギーへの挑戦―一九世紀アメリカ女性作家を再読する

■6面<読物 文化>
◆著:橋本 裕之『芸能的思考』(森話社)
評:中野正昭(なかの・まさあき氏=演劇・芸能研究家)


◆監修:反核・写真運動『決定版 広島原爆写真集』『決定版 長崎原爆写真集』(勉誠出版)
評:戸田清(とだ・きよし氏=長崎大学教員・環境社会学・平和学専攻)
 

◆著:斎藤 貴男『子宮頸がんワクチン事件』(集英社インターナショナル:発行、集英社:発売)
◆著:ベン・ゴールドエイカー『悪の製薬: 製薬業界と新薬開発がわたしたちにしていること』(青土社)
評:粥川準二(かゆかわ・じゅんじ氏=ジャーナリスト)
 

■7面<文学 芸術>
◆著:島村幸一『琉球文学の歴史叙述』(勉誠出版)
評:古橋信孝(ふるはし・のぶよし氏=武蔵野大学名誉教授・国文学専攻)


◆著:蓮實 重彦『映画時評 2012-2014』(講談社)
評:堀禎一(ほり・ていいち氏=映画監督)


◆著:秋山祐徳太子『秋山祐徳太子の母』(新潮社)
評:仲世古佳伸(なかせこ・けいしん氏=アート・ディレクター)

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