2011年 9月23日号

◇特集=辻村深月ロングインタビュー「闇から生まれる光」
『オーダーメイド殺人クラブ』(集英社)、
『水底フェスタ』(文藝春秋)を中心に―
※つじむら・みづき氏=小説家。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で、第31回開メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を受賞。 著書に『子どもたちは夜と遊ぶ』 『凍りのくじら』 『ぼくのメジャースプーン』 『スロウハイツの神様』 『名前探しの放課後』 『ロードムービー』 『太陽の坐る場所』 『ふちなしのかがみ』 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 『光待つ場所へ』 『本日は大安なり』 他。(辻村氏の正字は「辻」の部首しんにょうの上に「`」が付きます)
<今週の読物>
■1面
◆連載=彩祭流転<第11回>/下平竜矢
東京都北区「狐の行列」2007年 (しもひら・たつや氏=写真家)
■3面
◆連載=絵画の向こう側 ぼくの内側<第21回>/横尾忠則
「見えないものは描かない」(本紙8月26日号のNo.17・作品「アストラルタウン」のPart2として)
(よこお・ただのり氏=美術家)
◆文学の時=安倍夜郎<九月>
「9月6日 ホシヅルの日 星新一を偲ぶ日」 (あべ・やろう氏=漫画家)
◆連載=ニュー・エイジ登場<第369回>鈴木 遥
「愛知から全国の町並みへ」
(すずき・はるか氏=ライター。全国の古い町並みの、建築物の記録活動を行う。第八回開高健ノンフィクション賞次点『ミドリさんとカラクリ屋敷』(集英社)刊行)
◆受賞=第33回講談社ノンフィクション賞、第27回エッセイ賞・科学出版賞 贈賞式開催
(9月5日、東京都千代田区にて)
◆連載=銀座を変えた雑誌Hanako!<第18回>椎根 和
(しいね・やまと氏=元ハナコ誌編集長。編集者)
■4面
◆新刊紹介
ジル・ケペル著『中東戦記』
(講談社刊行)
■6面
◆新刊紹介
岡本太郎著『美しく怒れ』
(角川書店・発行、角川グループパブリッシング・発売)
齋藤 寛著『心を動かす音の心理学―行動を支配する音楽の力』
(ヤマハミュージックメディア刊行)
■7面
◆連載=気仙沼支援記<第6回>西野一夫
「園児たちのこと(1)」 (にしの・かずお氏=日本図書館協会・常務理事)
◆連載=活字シアター<第421回>
◎上州文化の育成に貢献した書店「煥乎堂」の巻<第55回>
◆元気に、出版。出版、元気に。=塩澤実信
「青幻舎 ―ビジュアル書を核に人の営みを照射」 (しおざわ・みのぶ氏=出版評論家)
◆マガジンレーダー=抒情文芸刊行会 刊行
季刊総合文芸誌『抒情文芸』35周年記念号
◆出版メモ=潮出版社刊行
松本直治著『原発死 一人息子を奪われた父親の手記』増補改訂版
■8面
◆特集=『アンデルセン童話全集 全3巻オールカラー』(西村書店)刊行開始に寄せて―
天沼春樹「アンデルセン童話を旅する」 (あまぬま・はるき氏=作家・翻訳家・独文学者)
森下矢須之「心に撒かれた物語の種」 (もりした・やすゆき氏=BIZEN中南米美術館館長)
小林秀穂「バレエの中のアンデルセン」 (こばやし・ひでほ氏=公益社団法人日本バレエ協会)
<今週の書評>
■4面<学術・思想>
◆訳:野沢協監『啓蒙の地下文書Ⅱ』(法政大学出版局)
評:大橋 完太郎(神戸女学院大学専任講師)
◆著:野口建彦『K・ポラニー 市場自由主義の根源的批判者』(文眞堂)
評:中尾茂夫(明治学院大学教授)
◆著:福間良明『焦土の記憶 沖縄・広島・長崎に映る戦後』(新曜社)
評:小暮修三(東京海洋大学教員)
■5面<文学・芸術>
◆著:ベルンハルト・シュリンク『週末』(新潮社)
評:阿部公彦(東京大学准教授)
◆著:小中英之『小中英之全歌集』(砂子屋書房)
評:小高 賢(歌人)
◆著:エルンスト・ユンガー『パリ日記』(月曜社)
評:初見 基(ドイツ文学専攻)
◆著:山崎 ナオコーラ『ニキの屈辱』(河出書房新社)
評:美月レンカ(作家、音楽家)
■6面<読物・文化>
◆著:永田圭介『厳復 富国強兵に挑んだ清末思想家』(東方書店)
評:工藤貴正(愛知県立大学教授)
◆著:山田健太『ジャーナリズムの行方』(三省堂)
評:水野剛也(東洋大学准教授)
◆著:中村文孝『リブロが本屋であったころ』(論創社)
著:能勢 仁『本の世界に生きて五十年』(論創社)
評:木下 修(元杏林大学客員教授)
<次週予告>
◎9月30日号=斎藤貴男・武田徹 対談<3・11以後のジャーナリズム>
(8頁・定価260円)
※本紙の号数と発売日は同日です。(2010年5月より)
<風来>

今年は『暮しの手帖』の編集長を30年間努めた花森安治氏の生誕100年にあたる。これを記念して暮しの手帖社では、花森氏に関連する書籍を刊行することになり、第1弾として酒井寛著『花森安治の仕事』が出た
▼かつて朝日新聞社から刊行され、日本エッセイストクラブ賞を受賞し、文庫化されたものの復刻版だが、戦後を代表する名編集者の人柄と仕事ぶりが詳細に描かれている
▼「花森はよくどなった。本気で、真正面からどなった」といった記述にも、花森氏が真剣に仕事と取組んだ様子が伝えられており、著者は花森氏を「陽性の癇癪もち」と評している
▼しかし、花森氏の癇癪は、「陽性」などと言った表現では収まらないほど、激しく爆発したこともある。「一銭五厘の気概」という章では、編集会議で「ペンと剣」の問題にふれ、部員を怒った様子が録音テープに残されていることを紹介し、花森氏の言葉を再録している
▼「…もうちょっと、文章をじょうずになれということだ。ジャーナリストは、言葉を軽蔑しておったんでは仕事にならんぞ。自衛隊はどんどん訓練しとるわ、武器の使い方から、人間の動かし方から。われわれは、なにを訓練しておるんだ」。花森氏はどなるようにしゃべり「ぼくはやはり、ペンは剣に勝つと思うんだ」と述べ、だからペンは剣よりも何倍も訓練しなければ駄目だと言っている
▼戦時中、大政翼賛会で戦争に加担したという想いから、戦後は反戦の意識を強く持つようになった花森氏の痛切な叫びは、ジャーナリズムにたずさわる者にとっては、厳しい戒めの言葉である。






